笑っちゃうな、ほんとに、なんでこんなに悩むんだろう、好きなら、好きといえばいいのに。でも、愛しあうって、そんなかんたんなもんじゃないんだ、そうじゃないだろうか。ふたりのひとが、同時に、愛しあうって。
まだ午前零時五十五分。
夜どおし、ボクはこんな他愛ない問答を頭の中で繰り返していた。
そばで、アルファさんが笑っていた。
オメガちゃん、いいかげんにして、もう、おやすみ。
愛するって、不思議じゃないか。
ボクより、この自分より、あの人が大切になるなんて!
その通りだと思うよ。命はひとつじゃ不純なの。ふたつでやっと純粋になるの。