芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

引きつり

炎の中を歩いている

すぐそばを 少年時代によく遊んだ

川が流れている

炎の川が

 

おおぜいの魚やドジョウが燃えながら泳いでいく

蛇が焼き魚を食べている

見れば 蛇は一本の燃える縄だ

くねくね身悶えして 引きつっている

そうだ ここでは すべての生命が引きつっている

 

ごらん 生きることは 引きつることだった

あと三十分もすれば

わたしの全身も焼けただれ

引きつりながら 骨になる