芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

12月14日

 ホームパーティーをした。夕方、三々五々、15名のお友達が集まってくれた。午後6時前からU君のピアノ伴奏でボクはエレキギターで9曲弾いた、50年くらい昔やっていたベンチャーズの曲を中心に。その後、通称<ルーシー>さんが2曲歌った。「朝日のあたる家」と「悲しい街角」。

 もともとU君はドラマー。中学3年生の時、ボクは彼とふたりだけでバンドを結成して、甲子園のプールサイドで演奏した。それが初めての出演で、高校2年生の前半までその頃流行だったダンスパーティーで演奏し、しかしある日突然エレキギターを捨てた。それ以来、50年近くエレキギターは弾かなかった。あのプールもずいぶん昔に消えてしまった。

 U君のすすめで、去年の7月からふたたびエレキギターを手にした。ボクのワイフはボクの演奏を聴いたことがない。無性に聴いて欲しくなった。ボクの家で50年前のようにU君とふたりだけで練習した、彼はもうドラムではなくピアノで。

 もっとヘタだと思ってたけど、とてもよかったよ、次回はいつ? みんなから称賛されて。

 けれど一番聴いて欲しかったボクのワイフはたくさんのお花で綺麗に彩られ、遺影と骨壷になって、東窓の飾り棚の上に置かれている。今夜のホームパーティーにはワイフはやって来ないのだろう。