芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

47年ぶりにエレキギターを弾いて

半年ほど前からギターを弾いている。だいたい一日に2時間前後練習しているが、この年末年始、ヒマな折には5時間余りギターを弾いている。

ギターは17歳でやめた。30歳前後になってギターも、それに関連する用品もすべて捨てた。15歳の時、友達とバンドを組んであちらこちらのダンスパーティーで演奏したが、学校から指導を受け、だから所謂「不良少年」だったろう。が、ギターをやめたのは、学校からの指導が原因ではなく、リードギターをやっていくのが耐えがたかったからに違いあるまい。その頃、ロック音楽に正確な楽譜などなく、レコードから耳で聴きとり、猛練習して、パーティーで演奏しなければならない。観客は乱れてツイストやチークダンスをやっているが、まだ中学三年生や高校一年生だったボクはストイックにギターを弾いている、苦行だった。

久しぶりにギターを弾いている。ボクはギターを弾くことがこんなに楽しいことだと初めて知った。昔を思い出しながら、今、12曲くらいは人前で演奏できる域に近づいている。その中で、ベンチャーズの「キャラバン」と「サーフライダー」は楽譜で練習しているのだが、「キャラバン」のアドリブでさえベンチャーズのリードギターリスト、ノーキーエドワーズの演奏を正確にコピーしていて、ボクはびっくりした。おそらく意識しようがしまいが、ボクの時代では多くの少年たちが権力とそれにもとづく秩序への反抗からロックにのめり込んでいったのだろうが、今日では社会的に認知され、こんな正確な楽譜さえ楽器店で販売され、インストラクターによるレッスンもあり、現在の状況に不案内なボクの憶測に過ぎないけれど、きっとこの日本でも超絶テクニシャンなギターリストが輩出してるのだろう。