芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

詩誌「リヴィエール「175号」を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。

 

 「リヴィエール175号」 発行所 横田英子 2021年3月15日発行

 

 今号は、十六人の詩人の作品十八篇、谷本州子詩集「空を歩む」特集では、2020年11月23日に土曜美術社出版販売から発行された谷本州子の詩集「空を歩む」の十一人の同人による書評、エッセイ「せせらぎ」には六人の同人が参加している。

 私は中でも市原礼子の「今日という日に」がこの詩人特有の世界を描いている、そう思った。この詩の概略を言えば、睡眠中に自分が断崖から飛び降りようとしている悪夢から覚醒させてくれたのは、子猫の声だった。子猫は、「あなたが死ぬとわたしは悲しい」(本誌33頁第三連第一行)、そうささやいているのだった。わたしは子猫を抱き上げて、自問自答した、「明日のことはわからないが/今日は子猫と共に生きよう」(本誌33頁第三連第五行~六行)。

 この詩にあわせて同じ作者のエッセイ「猫のいる風景14」に登場する「ちび丸」という猫の話を読んでいただきたい。読者の眼前に猫と共生する生命の世界がひろがってくるだろう。