芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

芦屋ビーチクラブ その124

 ここのところは、土曜日になっても、芦屋の夜の街を歩いていない。家でじっとしている。

 

 ふいに酒量を少し減らさなければ、そう思うようになった。

 私は毎日酒を飲んでいるが、家で飲むなら、たいした量は飲まない。たいがい焼酎の水割り四杯と赤ワイン250mℓ。だが、夜の街を歩くと酒量がかなり増えてしまう。理由は書かないが、酒量を減らそう、そう思うようになった。

 体が心配なのではなかった。もともと私は医者嫌いで、社会に出てから身体検査はほとんど受けていない。芦屋の今の家に移り住んで二十三年になるが、身体検査を受けたのは一度だけ。五十五歳検診で、芦屋病院の半日ドックが無料だった。それを妻と一緒に受けた。

 その時、妻には異常はなく、私は腎臓のエコー検査に異常値があり、精密検査を受けませんか、医師からアドバイスをいただいた。私は、「考えてみます。また、電話します」、そう答えたまま、現在、七十七歳になるまで芦屋病院に電話をしていない。妻は十二年前にこの世を去った。

 まして、ワクチンや予防接種の類は一度も足を運んだことはない、面倒だから。この二十三年間で一度だけ四十度の熱を出し、ご近所の南芦屋浜病院で解熱剤の注射を一本打っただけ。

 

 だから、こんな性格だから、酒の量を減らそうと思ったのは体への気遣いではなかった。もう少し、内面の奥の方から要求してきたのだった。

 そんなことってないだろうか。何か特別なことをやっているうちに、ある時、心の底の方から声がやって来ることが。例えば、「だったら、お酒の量、少し減らしな」、そんな声が。

 

 くだらないおしゃべりをしてしまった。私の悪い癖が出てしまった。けれど、くだらないことって、ちょっと、ステキじゃない? 遊びって、くだらないから、重荷じゃないから、心を慰めてくれるから、また遊びたい、とうとう、ついに夢中になってしまうかも。

 

 きょうの芦屋浜の清掃活動で、ひとつだけ、どうしてもご報告しておきたいことがある。

 浜辺で、亀がいた。種類は分からなかった。芦屋ビーチクラブのメンバーの一人は、「ミドリガメだよ」、そう言っていたが。その亀の写真を撮ってみた。頭手足は甲羅の中に隠したままだけれど。

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*トップの写真は、波をかぶった後、海に向かって歩き始めた亀。