芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

あの指から

        ―Sに

 

 

まだ夏なのに

舞い散るものがある

 

花ではない

雨でもない

 

うっすら

膜をひくもの

 

膜をひいて

閉じてゆくもの

 

あれは

指のしずくだろうか