芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

今年も、赤いミニバラが

 亡妻は我が家の庭を花でいっぱい飾っていたが、六年が過ぎて、もうほとんど見当たらない。それでも、いまもクリスマスローズが咲き乱れ、彼女が鉢植えから始めて庭に植樹した三本の百日紅は、五月になれば、玄関脇で緑をめぐませ、また、今年も、ウッドデッキの東側に赤いミニバラがいちめん、帰っている。

 

 明け方 南東の空には最後の星 木星が輝き

 ウッドデッキの東側には 君の遺した赤いミニバラ