芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

詩誌「鳥」第83号を読む。

 過日、榎本三知子さんから詩誌「鳥」76号から八冊、まとめて送っていただいた。これが最後の八冊目だった。

 

 詩誌「鳥」第83号 編集者 佐倉義信/なす・こういち/元原孝司 2022年十一月一日発行

 

 この号で最も注目したのは、緒家みわ子の「仔ねこがきた日」だった。ピーグル犬のロクと捨てられた仔猫の物語だが、こんないきさつがあった。この詩誌の同人で去年の五月に逝去した岩田福次郎氏から生前に聞き取りした実話を童話風にアレンジしたものだった。ロクと仔猫のステキな写真が二点掲載されていた。この作品も含めて緒家の文章全体が深い友情を表現していた。

 また、前号に続いて、なす・こういちの「私の戦争体験」は貴重な報告だった。昭和20年3月10日から12日にかけての東京大空襲を実体験によって構成した作品だった。

 榎本さん、ありがとう。