芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

ナガルコットの丘

まだ日没には半時余りあったが、屋上の展望台は風が吹き抜けていて、手摺りに背をもたせて立っている若い女の長い髪が揺らめいている。その乱れた髪の中からボクを見てニッコリ笑った。 「どこから来たの」 「東京」 やはり日本人だっ