芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

足が出ていた

きのう会った顔も

消えていた

 

頭の中は

無色だった

 

また

彼 あるいは 彼女と 何をしゃべったのか

 

右の耳は

無音だった

 

左の耳は

忘れましたと聞こえてきた

 

とても不思議な気持ちがした

 

後頭部を手のひらで

とんとん 軽く叩いてみた

 

首の方から 足が一本

出ていた