芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「鳥」第84号を読む。

 榎本三知子さんから詩誌が送られてきた。一通り読んでみた。

 

 「鳥」第84号 編集者 佐倉義信/なす・こういち/元原孝司 2023年5月10日発行

 

 この詩誌は、一九八三年(昭和五十八年)に創刊され、次号85号で終刊予定だという。理由は、執筆者の高齢化。ひとつの詩誌が幕を降ろすのであるが、私という読者は縁あって社会の片隅でそれに立ち会っている。翻って思えば、地球上の長い歴史の中で発生した無数の言葉の中のホンの一齣、私という存在者が出会った言葉だった。人はいかに努力しても生きている間にそんなに多くの言葉と出会う訳ではない。また、出会うことは出来ない。詩誌の終刊に立ち会って、読者よ、せめてその事実に思いを馳せて欲しい。余計なお世話だが。

 なぜか、さまざまな作品を読みながら、私は哀愁を覚えなくのなかった。